きんぎょ

知識を「知恵」に変えるブログ。

『坂の上の雲』が教えてくれること。

この時代の明るさは、こういう楽天主義から来ているー

 

こんにちは!きんぎょです。

 

今回は日本史のお話。ちょっと長いです。時間ある方良ければ見て下さい✌️

 

日本史といえば、戦国時代・幕末・太平洋戦争って割とポピュラーじゃないですか。

 

でも、明治維新(1868)~日露戦争(1904)ってマイナーですよね。

「え、何があったの?明治天皇?」みたいな。

 

僕も、1月前まではそうでした。

 

坂の上の雲』を観るまでは。

 

先輩の勧めで今更観てみたものの(2009~2011年の作品)、これがもーーーーーーのすっごい面白かった。

 

逃げ恥やサッカーワールドカップを1mmも観ない位テレビとは無縁だった僕が、1話1.5時間もするドラマを13話も観てボロ泣きするなんて・・・(マジです)

 

最終回の「終」の右の点々が惜しくなるくらい、徹頭徹尾見応えある作品でした。

 

物語が濃すぎて、ここでは書ききれませんが・・・作品では、戦争で命を落とす軍人の勇姿と、赤ん坊を抱っこする母親。

戦争と平和・日常と非日常がリアルに描かれています。

 

「戦争と命の大切さ」がテーマのものは数多あり、『坂の上の雲』も決してその例外ではありません。

 

しかし、この作品のメッセージはもう一つあります。

 

それは「ばかになるな」ということです。

そしてそれは、2人の文学者を通して警告されています。

 

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正岡子規

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夏目漱石です。

 

物語のあらすじをちょっと話すと・・・

 

坂の上の雲』は、明治維新で侍の時代が終わったばかりの日本が、日露戦争で大国ロシアに勝利するまでを、3人の生涯を追いながら描いた作品です。 

 

秋山真之は、日露戦争において、勝利は不可能と言われたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦を立てました(東郷ターン、丁字戦法)。

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その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強と言われたロシアの騎兵隊を破るという奇跡を遂げました(奉天会戦)。

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正岡子規は3人目の主人公であり、幼い頃から真之と親交がありました。

 

軍人の道を諦めた子規は、詩人としてスタートし、その才覚を発揮します。

 

「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺

 

など有名ですね。

 

1894年、子規は日清戦争の従軍記者として渡航中に吐血。

 

その後長くして、東京・根岸での闘病を続けます。

 

 

菅野美穂演じる妹・律の壮絶な看病も身に染みました。

 

しかし、六畳一間で苦悶する彼が見せたのは、詩の才能だけでなく「努力する才能」でした。

 

毎日後輩歌人の指導にあたり、ペンを何度も落としながら、俳句を10、20と書き連ねたのです。

 

こういう御涙頂戴、今となればありきたりです。

 

しかし、文学者としての責任は当時大変重いものでした。

 

アメリカ人=英語のように、言葉は自国民であることの証であり、誇りになるのです。

 

当時は国と国が侵略し合う時代ですから、日本語が外国語に変わってしまう危険性も十分にありました。

 

たとえ国が侵略されても、文学なら記録として残る。

 

だから当時の文学者たちは、日本人が日本人たる誇りを失わないために必死だったのでしょう。

 

なかでも、病気にも関わらずペンを執る子規の姿は、文学者たちの大きな励みになりました。

 

正岡子規の功績は

「明治という帝国主義の時代における文学の存続に寄与したこと」

にあるでしょう。

 

秋山兄弟の出世とは真逆な苦しい毎日の中で、激動する近代文学界をたった一人でけん引した子規のエネルギー。

 

それはきっと、責任感と向上心なしには生まれなかったでしょう。

  

そして。子規と親交の深かった人物のひとりに、文豪・夏目漱石がいました。

 

ドラマでは、最終話に子規の自宅を訪れ、真之たちを妬むシーンが描かれています。

 

作中触れてはいませんが、そんな彼の代表作『こころ』には

「向上心のないものは、ばかだ。」

というセリフがあります。

 

これは子規への哀悼と、激動の時代を生きる私たちへの警告ではないでしょうか。

 

僕は就職活動を通して、向上心の無い人は置いていかれる事を痛感しました。

まさに、漱石が言った通りの世界がそこにはありました。

 

また『坂の上の雲』の冒頭には、以下のメッセージがあります。

 

今から思えば実に滑稽なことに、米と絹の他に主要産業のないこの国家の連中がヨーロッパ先進国と同じ海軍を持とうとした。陸軍も同様である。
財政が成り立つはずは無い。
が、ともかくも近代国家を創り上げようというのは、もともと維新成立の大目的であったし、

維新後の新国民達の「少年のような希望」であった。

 

米と絹しか主要産業のない明治ですら、楽天主義だったのです。

 

当時より出来ることが増えた今の日本が、向上心に溢れる楽天的な社会じゃないのはおかしいです。

 

それは、「少年のような希望」を摘み取る人がいるからだと、僕は考えています。

 

そんな人たちに流される「ばか」になるなと、子規や漱石は教えてくれている。そんな気がします^_^

 

坂の上の雲』は、平成という時代が担う未来への課題を痛感させる作品でした!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます😊